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丸革リード
長年培われてきた馬具作りの技術と経験を一本のリードに凝縮しました。職人の手が一枚の革を丸く長い縫い合わしヒモ状に変化させます。そのリードには縫い合わせたステッチが見当たりません。厳選された革はドイツ製オイルを含ませておりますので丸く折り曲げても表面にヒビが入りにくく、しなやかで、長年使うことにより味のある色合いに変化して行きます。
長さへのこだわり
全長100~110cmの長さにはこだわりがあります。
イギリスの社交界を想像して下さい。容易に想像つくのが愛犬を連れ立って会いにきている紳士の姿。このとき愛犬と紳士に寄り添って座っているとリードはおのずと「J」の字になります。
これをJリードと呼ばれ最も美しい人間と愛犬の関係を表してると言われます。ゆえに110cmにこだわります。
素材へのこだわり
ヌメ革とは?
当店の丸革犬具で使っている革は全てヌメ革です。ヌメ革とは、はるか古来からある鞣し方法、「タンニン鞣し」で作られた牛革のことを指します。植物の樹皮、木部、葉、果実から取り出された渋(タンニン)で鞣す方法で、馬の鞍,ベルト,野球のグローブ,靴の底など用途としては堅くて伸縮してはいけないものに用いられます。
断面が淡褐色または茶褐色であり、堅牢で伸縮性が少ないのが特徴です。欠点は雨や湿気などの水分の影響を受けやすく、水分を吸収するとバクテリアの発生を促します。また油分が不足するとひび割れ、裂けを生じてしまいます。 しかし自然素材を使って鞣すタンニン鞣しは、廃棄されても土中で微生物に分解され、製造行程中にも環境を汚染する有害廃棄物質をだしません。自然に優しい素材として環境保護に厳しい視線を送るヨーロッパ中心に価値が見直されています。
ヌメ革の特徴
ヌメ革の特徴と言えば比類なき強靱さと使い込むうちに変化していく表情の変化(経年変化)です。
1.強靱さ
ヌメ革の強靱さとは素材が堅牢だということです。上手に使い、しっかりと手入れをしてやると素材自体は10年どころかそれ以上使用することも可能です。
2.経年劣化
ヌメ革のもう一つの特徴に、手の油がしみ込んだり、日光による紫外線の影響で革がどんどん変色して行くことがあげられます。ヌメ革は使用するうちに表面についた傷から革本来の色が顔を出します。この傷も使い込むうちに表面と同和してきて新しい表情を生み出してくれます。また日光や熱、使い込むうちのマッサージの効果で革内部にもともと含まれている脂分が表にしみ出してきます。この脂分により表面につやのある皮膜を作り表情と、ある程度の撥水効果を持たせてくれます。これらの変化は経年変化と呼ばれています。ゆっくりと年数をかけ出来上がったヌメ革の表情はなんとも言えない味わいを持っています、多くの人を魅了すると言っても過言ではないでしょう。
デザインとしてのコバ
現在使用している素材の革はヌメ、赤、黒と3色あります。犬具の場合5mmもある分厚い革を使っていますが、この革は元々薄茶っぽいヌメ色です。染料を使い黒や赤に染色します。
しかし厚みが5mmもあると革の表面は奇麗に染色出来ても、芯の芯までは染料が届きません。その為裁断面は必然的に銀面(革の表面)とは違った色が現れます。 この部分をコバと呼びます。
通常このコバは塗装等をして銀面の色に合わすのが一般的ですが、当店では、不必要な塗装を省き革の織りなすグラデーションを敢えて全面にうちだしてみました。
メンテナンス
手縫いのメリットは、「メンテナンス可能」に尽きます。
メンテナンスと言っても革をメンテナンスをして長く使うと言う意味では無く、有事の際何とかなると言うことです。革製品に迫る危険と言うと、雨や乾燥だけではありません。当店に寄せられるご質問やご要望のうち約3分の1がリードを噛みちぎられた、ステッチがほつれたが修理が可能かと言った問い合わせです。もし我々がミシン縫いをしていれば必然的にお断りするしかありません。ミシン縫いであれば均一に縫い合わすことが可能ですが、再度同じ穴にミシンの針を通すことは不可能です。また細かく入ったミシン目が切り取り線の役割となり、ミシン目より革が断裂する可能性があるからです。
しかし手縫いの場合、作業的には非常に手間ですが今まで使っていた穴に再度糸を通す行為自体は簡単に出来ます。ただ誰でも出来るけど誰にでも出来ない、それが手縫いなのです。
リベットのないデザイン
ほとんどの革製品で使われてる部品、それがリベットです。
有名な所ではジーンズのLevisの補強金具として採用され今日でも使われ続けてる頑丈な部品と言ったイメージを受けます。また現在世の中にあるほとんどの首輪、リード、ハーネスと言った犬具にはリベットが使われています。
以前リベットを使用したリードの修理を受けたことがあります。その時、修正するリードの殆どがリベットの穴からヒビが入りこのまま使うと断裂してしまう可能性があると言った状態でした。結果しょうがなく長さを縮めざるおえませんでした。
確かにリベットは簡単に強く固定する為には本当に優れた部品ですが、犬具においてメンテメンス面を考えると、これは完璧な部品とは言えないと考えました。
せっかく作るならメンテナンスも出来、不必要と言われるかもしれませんが安全な物を作ろうと言う思いで、簡易で丈夫な部品リベットを使用していません。